世界最高水準の平均寿命を支えてきた国民皆保険制度。1961年4月の創設以来、60年超に亘って維持してきた医療保険制度を、これからも我が国の〝財産〟として維持していくためには、国民の医療保険制度や健康に対する理解と協力が不可欠であり、同時に国民全体に課せられた大きな社会的使命と考えます。
国民医療費や介護費用は〝うなぎのぼり〟に増え続け、その基調はいっこうに変わりません。現在、国民医療費は44,2兆円、介護費は11、2兆円(いづれも令和3年度推計)を超えました。これが、2050年には合わせて100兆円という今の国家予算に匹敵する大台に達するとも推計されています。
膨らみ続ける医費療や介護費。費用の拡大は、保険財政を著しく圧迫し、限られた資源の効果的な活用が急務とされています。そうしたなか、保険財政の危機からの脱却への手段として社会保障の〝リストラ時代〟を指摘する論調も――。
さて、いま医療保険者や産業保健師などの医療看護職に求められるのは、より戦略的な健康への投資による費用削減や保険財政の立て直しへの挑戦であり、健康経営者の喫緊の課題と思料されます。
当研究会では、設立20周年の記念事業の一環として、東北大学名誉教授の辻一郎先生を講師に、別紙によりご講演をいただくほか、20周年を記念し皆さまとの交流の場を設けご懇談申し上げたく企画いたしました。ぜひ、ご参加くださるようご案内申し上げます。